アメリカから始まったクレジットカードの歴史について

クレジットカードの歴史というのはアメリカから始まっているとされるのですが、日本とアメリカではクレジットカードの立ち位置が若干異なります。

これは歴史が影響していると考えられるのでここで簡単にですが学生の皆様に解説していきます。

 

もともと小切手の代用&メンバーズカード(欧米)

そもそもクレジットというのは「信用貸し」つまり「つけ払い(担保を取らずに後払いを行う)」「分割払い」の事です。

こういったサービスは欧米にも昔からありましたし、現金が手元になくても小切手類を使う方法が存在していました。

古い英米小説を読むと小切手での支払い場面がよく出てきますし、クレジットカードが登場した今でも欧米では小切手が一般的に使われています。

ただこの小切手や信用貸しはちょっとした問題点が存在しており、「現金を持ち歩く必要がない」というメリットはありましたが使いやすいというほどの物でもありません。

そこに目を付けたのが現在もクレジットカードを発行している「ダイナーズクラブ」であり、「ダイナーズクラブが世界初のクレジットカード」と呼ばれる所以となっています。

 

・小切手の問題点

ダイナーズクラブ創設者がクレジットカードのサービスを発案したきっかけとなった体験談、というのが世間にかなり広く浸透しているのですがこの物語は信憑性にかなり問題あり「宣伝のために創作されたものではないか」と言われています。

しかし「小切手や信用払いの問題点」をわかりやすく指摘し「現代のクレジットカード」の業務をうまく言い表しているのでまずここで簡単に紹介します。

 

「きっかけは創業者のマクナマラがニューヨークのレストランでやってしまった失敗談。彼は食事を終えた後に財布を忘れたことに気づきました。そこで自宅に電話して現金を届けてもらいましたが、これを待つ間大変気まずかった。そこで彼はもう一人の創業者と話あい「つけで支払ができるサービスを作ろう」と考えた。これが「ダイナーズ(食事をする人)クラブ」の始まりである」

 

前述の通りこの時代にはすでにつけ払いや月賦払いという物は存在していましたし、小切手も戦前にはすでにありましたから「レストランで現金を忘れた=つけ払いができるサービスを考える」というのはいろいろおかしな話です。(参考ですが、日本の小切手法は昭和8年、1933年に制定されています)

ですからいろいろと怪しい話ではあるのですがこの物語は「小切手と信用取引の問題点」と「クレジットカードの業務」をうまく言い表しているといるのでここまで広がっているのでしょう。

マクナマラは上流階級の人間でしたので、レストランの食事代くらいは問題なく払える身分の人間でした。常連の店であればそれを証明して支払いを待ってもらうという事ができますが、初めてはいる店ではそれも難しいです。

小切手は「銀行に口座がある」ことの証明にはなるのですが、実際に銀行にお金が入っているかどうかの確認まではできませんから、常連の店であれば使えますが初めてはいる店などでは利用が難しいです。

そこで「第三者(カード会社)が顧客の信用度を審査して支払いに問題がないか確認する」「店への支払は第三者が行う」「自社は顧客に手数料含めた代金を請求する」という「クレジット」つまり「どこでもつけ払いができる」サービスが生まれたわけです。

現代の欧米はカード社会と言われますが、これはもともと小切手だった事やカードは客観的な信用の証拠という考え方からきているわけです。

 

日本でちょっと違う「月賦の代用」

ダイナーズクラブの「物語」を否定する要素として「つけ払い」は日本ではすでに江戸時代において一般的であったという事が言えます。

学校の授業をまじめに聞いていた方であれば「三井越後屋が現金掛値なしを取り入れて大繁盛した」という事を覚えているでしょう。

当時の呉服屋は「信用ある客に見本の反物を持ち込んで予約を貰う、もしくは商品を持ち込んで販売する。代金は年に二回後から手数料込みの値段で回収する」というスタイルが一般的だったのですが、越後屋は「店頭に商品を並べ値札通りの価格で安く販売する」というスタイルを生み出しました。

この方式であれば経費が少なくすみ現金をすぐに回収できるので新しい商品を店頭にならべやすく、といった具合でメリットが多かったわけです。

このほかにも新しいスタイルをたくさん生み出した三井越後屋はのちの三井財閥の始祖となった、といった具合の話ですが、越後屋登場以前に行われていた「商品先渡し。代金後払い」は「つけ払いができるサービス」、いわばクレジットサービスという訳です。

 

日本初はマルイカード?

日本では長らく「現金払い」を上に見る風潮がありました。

しかしそうは言っても家電製品など高額の買い物を一括で買うことはできません。そこで高額な買い物については分割払いや月賦払いが広く使われていました。

そんな中日本初の「クレジット」を提供したのは百貨店の丸井です。これは現在の「エポスカード」の前身ですが、中身は従来の「月賦」取引となんら変わりません。

言うなれば「会員カード」と言った具合で自社商品の月賦購入ができるという物でした。

中身がどうであれ、丸井が初めて「クレジットカード」という言葉を日本で使ったのには違いなく、その後月賦にかかわっていた信販会社や銀行各社がこぞって「クレジットカード」を発行するようになります。

 

・分割払いのリスク

なぜ日本でクレジットサービスがこれだけ広がったのか、と言うと「分割払いに対するリスクを避けるため」というのが大きいです。

従来の月賦販売というのは「自社と客の間でやり取りを行う。客先に自社の社員が取り立てに行く、もしくは客が定期的に自社に商品代金をもっていく」という物です。

これは手数料などがかからず自社独自の基準で与信ができるというメリットはあるのですが、与信審査や取り立てについては素人な店の方が多いというのが実情であり、代金回収の手間や回収不能になるリスクなどが常について回るものでしたし、客としてもいちいち審査を受ける必要がありますし支払が各所でばらばらになるといろいろと面倒が多い物でした。

そこで第三者でなおかつ審査や回収のプロであるカード会社が取引に介入することで、店は代金回収にかかわるリスクをほぼゼロに抑えながら月賦払いで商品を提供することが可能になり、客は店ごとにいちいち審査を受ける手間や支払いを行う手間が避けるという訳です。

 

歴史からみる「現在」の違い

欧米は現在でもクレジットカードが主流で、海外旅行にいくなら絶対必要とまで言われるレベルです。

学生のころからデビットカードを使い、大学に入ってからクレヒス(クレジットヒストリー

信用情報の利用履歴)を積む社会だとまで言われています。

一方で日本は元々が「月賦払いの代用」として生まれたくらいで、現在でも現金取引が主流です。

また「クレジットは借金なのでそこまで本格的に使いたくない」という方も多く、電子マネーやプリペイドカードなどもその他決済手段も非常に多いです。

ですから「クレジットカードを一生持たない」という生活も十分できますし、クレヒスもどの程度採用されているかがよくわからないレベルです。

この違いはいろいろな要素が考えられますが

元々小切手社会だった欧米と「現金掛値なし」が大成功した日本の違い

と考えると面白いのではないでしょうか?

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